ビジネス用ホームぺージ(Webサイト)の目的別サイトモデル5つ
誰でもビジネス用にホームページを設置することを思い立ちますが、設置しただけに終わっていませんか?
ビジネスにおけるホームページの目的に応じたサイトモデルは大きく5つあり、それぞれ目標を立てて構築・運用していく必要があります。
この記事を読めば、各サイトモデルの概要と目標および目標達成のための指標が理解できるようになります。ぜひ、指標をモニタリングして改善運用していきましょう。設置だけではもったいないですよ。
ビジネスにおけるホームページの目的
各企業がホームページを持つ目的は必ずあるわけですが、
結局は
・売上を上げる
・ビジネスを円滑に運営する
のいずれかに集約されるのでは、と思います。
目的が売り上げを上げるパターン
例えば、ホームぺージの目的が
・集客したい
・企業イメージを高めたい
・販売したい
・Web上で何らかのサービスを提供したい
・広告費を稼ぎたい
など様々な目的がありますが、結局は企業の成績アップ(すなわち売り上げアップ)に繋がるものです。
企業イメージを高めて、集客をし、販売する・成約する のように、複数の目的は最終的には売上に結び付きます。
目的がビジネスを円滑に運用するパターン
一方、売り上げアップ以外の目的は全てこちらのパターンに属するでしょう。
・顧客・取引先への情報提供
・製品、サービスのサポート及びクレーム対応
・求人、採用
このように目的を明確にすることは大切ですが、目的に応じてサイトのモデルを設定する必要があります。
ホームページは設置して終わりではありません。
ホームページの目的を達成するためには、目的に応じたWebサイトモデルを理解し、
そのWebサイトの最終目標とそれを達成するための指標をモニタリングしながら改善運用することが不可欠なのです。
そこで、次にWebサイトモデルとその目標について確認しましょう。
ホームページの5つのモデル
ビジネスがホームページに求める目的に応じて、次の5つのサイトモデルがあります。
起業して何らかのビジネスサイトを立ち上げる場合、5つの中のいずれか、または、5つのうちの複数のモデルに属するサイトになると思います。
逆に、この5つの中に属していないサイトとしては、全く収入などを目的としていない個人ブログなどの完全な趣味のサイトでビジネスを考慮していないサイトとなります。
①イーコマースサイトモデル
いわゆる物販サイトです。アマゾンや楽天などが代表的です。
・製品、サービスの販売
売上や売上の増加率が目標となります。
②リードジェネレーションサイトモデル
リード(見込み客)を増やすことを目的としたサイトです。
・新規受注顧客・成約の獲得
資料請求数、資料ダウンロード数、お問い合わせ数 などが目標値となります。
③メディアサイトモデル
ニュースや何らかの専門性のある記事などのコンテンツページを有して、そこに広告掲載することで広告収入を得るものです。
・アフィリエイトサイトが代表的です。
広告の収益額 が目標値となります。
④サポートサイトモデル
企業イメージを高めたり、自社商品の特徴・使い方・その他クレームサポートなど、多岐にわたる方法で顧客満足度を上げ、新規顧客やリピート客を増やします。
・会社・店舗のPR
・製品・サービスのPR
・顧客・取引先への情報提供
・製品、サービスのサポート及びクレーム対応
・求人・採用
目標としては、顧客満足度が主なものとなります。
⑤アクティブユーザーモデル
オンライン上で利用できる継続利用型サービスを提供するサイトです。
その形態によって、さらにサブスクリプション型と都度課金型とに分かれます。
・音楽配信サービス
・課金制ゲーム
目標は売上となります。
サイト目的が1つではない場合サイトを分けることも
以上目的に応じて5つのサイトモデルがあるわけですが、ビジネスの目的は1つだけではありません。したがって、上記の複数のモデルを1つのサイトに入れ込む、という場合も出てきますが、まずはできるだけ絞ったほうがよいでしょう。目的が複数の場合は、サイトモデルも分けて、複数のサイトを所有するのがよいのと思います。
例えば集客用サイトと販売サイトは分ける、などの方が、それぞれの目的に応じたサイトの構造構築や目的が達成できているかの分析がしやすくなるからです。
また、サイトの目的を分けてサイトの専門性を上げることで、SEO的効果も見込めます。相互リンクを張ることもSEO的効果があるでしょう。
サイトの最終目標(KGI)と重要業績評価指標の測定値(KPI)
サイトの目的を達成するためには、最終目標を具体的に決める必要があります。
例えば、イーコマースサイトの場合なら、『売上』が最終目標です。これをKGI(Key Goal Indicator)と言います。
KGIは、そのKGIに影響する様々な要素に分解できます。
例えば、売上 をKGIとするならば
売上=購入者数×購入頻度×客単価
のように分解できます。このように、KGIを達成するために分解された指標である、購入者数・購入頻度・客単価 をKPI(Key Performance Indicator)と呼んでいます。
ビジネスにおけるWebサイトを構築する場合、このKPIをモニタリングして分析しそれぞれを改善する、といったビジネスのPDCA(Plan Do Check Action)を回せるよう意識することが大切です。
サイトモデル毎の代表的なKPI
サイトモデルによってKPIは異なります。
自分のサイトのKPIが何かを把握しておくことで、どのようなコンテンツをサイトに準備していくべきかを考えるヒントになるでしょう。ぜひ、KPIを高めるコンテンツを増やして、サイト目標、しいてはビジネスの目標を達成できるように考えていきましょう。
①イーコマースモデルのKPI
・新規購入者数、リピート購入者数
・購買頻度・回数
・客単価
・商品ページ閲覧数・商品ページ直帰率
・ショッピングカート投入数
・注文キャンセル率・返品率
サイト単独の改善としては、商品毎に閲覧数やそのページの直帰率(そのページでサイトから離脱してしまう率)を測定して、どのような商品ページが注目を浴びているか、どのようなページであれば魅力的に感じてもらえるかを考えて改善することになります。
もちろん、KPIそれぞれを商品開発担当や営業担当と情報共有して、今後の方向性の改善に役立てることも大切なことです。
②リードジェネレーションモデルのKPI
・コンバージョン率・商談率・受注率
・資料ダンロード数、メールアドレス取得数
・顧客の質(理想のターゲット通りの顧客となっているか)
ここでのコンパ―ジョン率というのは、そのサイトへの訪問者のうち、どれだけのリスト(メールアドレスなど)を獲得できたか、といった率のことですが、その後、獲得したリストが実際に商品を買ってくれないと意味がありません。
したがって、コンバージョンして終わりではなく、その後、商談に持ち込めた率、最終的に成約に至った率を追跡して、どのようなリストが最終受注率が高いのか、ということを把握することも大切です。
自社のビジネスの売上・受注に結びつかないリストばかり集まっている場合は、ターゲットとしている顧客層がずれている可能性があります。
③メディアサイトモデルのKPI
・PV数(ページビュー数)、セッション数、ユーザー数
・ページやサイトの滞在時間
・SNSでのいいね数
・直帰率、離脱率
SEO対策をしてサイト訪問者を増やすことが大切な施策となりますが、それだけでなく、直帰率や滞在時間、PV数/セッション数 などを見て、サイトを訪問してくれたユーザーが、そのページだけでなく複数ページ見てくれるようにコンテンツを改善していく(サイト回遊率を上げる)ことも重要なアクションと言えるでしょう。
④サポートサイトモデルのKPI
サポートサイトは、目的も多岐にわたるうえ、売上など明確な指標がKGIではありません。そこで、顧客満足度を測るために、次の3つに分けてKPIを定義します。
1.潜在需要に対する情報提供を目的としてKPI
・サポートページ経由でのコンバージョン率(商品だけでなく、求人ページ経由の求人コンバージョンも含む)
・サポートページ経由で商品販売ページを閲覧する(またはその逆)ユーザー数
これらを測定することで、サポートページの価値を測定することができます。
2.顧客の問題解決
・サポートページ(コールセンターの連絡先ページやお問い合わせフォームのページ)への遷移率
・『この情報は役に立ちましたか?』の質問をページ内に設置して、満足度を測る。
・精読率(スクロール到達率を測定)、動画視聴時間
・サポートに対するアンケートの実施
・サポートサイト内検索結果件数のゼロ率(ゼロが多いほど、解決できる情報が見つかっていない)
3.サポートコストを削減する
・コールセンターの受電数の削減
・その他、サポートすることによる関連部署のコスト削減(営業への無用な問い合わせが減ったなど)
⑤アクティブユーザーモデルのKPI
・DAU(Daily Active User):1日あたりのサービス利用ユーザー数
・課金率:一定期間で支払いをしてくれた人の率
・継続率
・解約率
まとめ
ビジネス用のホームページには、その目的に応じて5つのサイトモデルがあることを説明してきました。
もちろん、ビジネスそのものの目的とターゲット顧客、そして自身のビジネスのポジショニング(他社との差別化)を明確にしたうえで、Webサイトを構築することは大切なことですが、そもそもWebサイトを何のために必要とするのか、といったサイトそのものの目的・目標を明確にしてサイトモデルを決め、サイトの目標に応じた指標(KPI)を測定・分析しながら、ビジネスに生かしていく、といった観点を失うと、単にホームページを持っているだけ、になってしまいます。
ぜひ、改善のPDCAを回して、生きたビジネスサイトを構築していきましょう。