ワードプレスGutenbergで装飾ボックス(囲み枠)を作成する方法(枠線つき、タイトルつき、タグつき)
読みやすいブログ記事には、必ずといってよいほど装飾ボックス(囲み枠)が使われています。
ブログ用の有料テーマやプラグインには、いろいろな装飾ボックスが準備されていますが、
『他のサイトと似てくるから少し違ったものを使いたい』
『テーマに準備されている色が自分のサイトのトーンと合わないから変えたい』
と思ったりしますよね。
そこで本記事では、ワードプレスのGutenberg(ブロックエディター)で、素敵な装飾ボックスを作成する方法を解説します。
ワードプレスのGutenberg(ブロックエディター)を使って
- シンプルな囲み枠のボックス
- 角丸の囲み枠のボックス
- タイトルつきのボックス
- タブつきのボックス
といった代表的な装飾ボックスの作成方法を知ることができます。
この基本的な方法を知っておけば、あとはググってCSSをコピペしたりちょこ変するだけでいろいろと応用できるようになります。
※本記事で紹介のCSSは、ワードプレスversion5.9で導入されたブロックテーマ(Twenty Twenty-Twoなど)やtheme.jsonを使用したテーマでは使えません。theme.jsonを使用しない従来テーマを前提としています。
※装飾ボックスというと、『カスタムHTMLブロックにHTMLをコピペして使う』という紹介記事が多いですが、文字の入力などボックス内のコンテンツを編集する際カスタムHTMLブロックに直接ベタ打ちする必要があり、非常に記事作成がしにくいです。
そこで本記事では、カスタムHTMLブロックは使用せず、グループブロックを使って編集入力しやすい方法を紹介します。
(本記事の改定履歴)
2022年5月25日に以下を追記
ワードプレスversion6.0のグループブロックへのレイアウト機能追加による注意事項
2022年2月2日に以下を追記
・紹介するCSSの一部改訂:1~3行目にpaddingを明確にゼロにする記述を追加(ワードプレスversion5.7で導入のcustom-spacingに対応したテーマが増えたことによる。本文内に説明あり)
・ワードプレスversion5.9のブロックテーマまたはtheme.json使用のテーマでは本記事紹介のCSSはそのままでは使用不可の注意事項
本記事以外にも、ブロックスタイルでシンプルな枠線ボックスを、ブロックバリエーションでタイトル付ボックスを自作する方法も紹介しています。よかったら参考にしてみてください。CSSについてはある程度理解できている方向けです。
なお、テーマLuxeritasの場合は次の記事が便利です。
簡単におしゃれなタイトル付ボックスを自作する方法
ブロックパターン集をダウンロードして使う方法
ブロックエディターで装飾ボックスを作成する4つの方法
ブロックエディターで装飾ボックスを作成する方法としては主に次のようなものがあります。
- テーマの準備した装飾ボックスを使用する
- 装飾ボックス用プラグインを使う
- カスタムHTML+カスタムCSSを使う
- 既存ブロック+カスタムCSSを使う
①に関しては、すでに使用しているテーマに準備されていなければテーマの変更が必要です。
②に関しては、さまざまなプラグインが提案されていますので、また別記事で紹介したいと思います。
③ですが、ググって出てきたHTMLとCSSをコピペして使うならば、これが一番手っ取り早いです。
ただし、HTML形式となってしまうので、テキストや画像といったコンテンツを入力するのにもHTMLの中に書いていく必要があります。
④ですが、カスタムCSSはググってコピペする(または自分で作成)必要がありますが、コンテンツ入力には既存の段落ブロックや画像ブロックなどが使用できるメリットがあります。
そこでこの記事では、④の方法について紹介していきます。
テーマは極力テーマ依存性のでないよう、シンプルなTwenty Seventeenを使います。
カスタムCSSについてよく知らない、という方には次の記事がおすすめです。
既存ブロック+カスタムCSSで装飾ボックス作成の手順概要
手順概要としては次の通りです。
- 既存ブロックでボックス作成準備をする
(具体的にはグループブロックと段落ブロックでボックス雛形を作成します) - ①で準備したグループブロックの追加CSSクラスを設定する
- カスタムCSSを作成(コピペまたは作成)
- 出来上がったボックスを再利用ブロックに登録またはブロックパターンに登録
上記①~③で装飾ボックスは出来上がりますが、④をしておくといつでも呼び出して使えます。
ここで初心者の方にハードルの高いのは③のカスタムCSSの作成ですが、ググって出てくる記事を参考にすれば簡単です。
本記事では、サルワカさんの記事のカスタムCSSを流用していきます。
既存ブロックでボックスを作成する準備
Gutenbergでボックスを作成するために、次の手順で入れ子構造のブロックを作成しておきます。
- 段落ブロックを準備する(適当にテキストを入れておく)
- 段落ブロックを選択してグループ化する
こうすることで、グループブロックの中に段落ブロックが入っている入れ子構造となります。
グループ化する準備の具体的手順
手順1:段落ブロックを準備する
次のように、段落ブロックを準備して適当にテキストを入力しておきます。
(この例では『あああ』と入れておきました)
手順2:段落ブロックをグループ化する
段落ブロックを選択した状態で、ツールバー内一番右の3点メニューを開けて”グループ化”をクリックします。
グループ化ができたら、次のようにアイコンがグループブロックに変わって、ブロックも青枠で囲まれます。
これで、アウトラインをクリックしてリスト表示を見ると、グループブロックの中に段落ブロックが入った入れ子構造となっていることが確認できます。
このような構造にしておいて、グループブロックに枠線をつけたりすれば装飾ボックスができあがるというわけです。
段落ブロック単体でも枠線をつけることはできますが、グループブロックに枠線をつけることで、複数の段落や他のブロック(画像やリストなど)も囲み枠の中に入れることができます。
ワードプレスversion6.0でグループブロックにレイアウト設定機能が追加されましたが、初期設定のまま”グループ”としてください。”横並び”や”縦積み”を選択すると本記事のCSSは適用できません。
グループブロックの詳細な使い方はこちらの記事も参照ください。
ボックスを作成する
それでは、作成したグループブロックを使って装飾ボックスを作成していきましょう。
(グループブロックは複製して使うと毎回作成する手間が省けます。ブロックの複製は、ブロック内ツールバー3点メニューから操作できます。)
背景色で塗ったボックス(カスタムCSS不要)
まずは手始めに、枠線なしのボックスを作成してみましょう。
カスタムCSSは不要です。
①グループブロックを選択(画面右の情報パネル(ブロックタブ)でグループが表示される)
②色設定を開ける
③背景色を設定
サイト表示させると次のようになります。
背景色は好きに設定できますし、段落ブロック以外のブロックも配置できます。
例えば、段落ブロックの下にリストブロックと画像ブロックを追加してみると下記のようなものが簡単に作成できます。
カスタムCSSなしでもこの程度の装飾ボックスは作成可能なのです。
記事の中でうまく使えば十分アクセントになりますよね。
でもここからは、カスタムCSSを使った装飾ボックスを作成していきましょう。
シンプルな枠線ボックス(CSSコピペで可)
サルワカさんの記事のシンプルな囲み枠の”角丸”を作成します。
こんなやつです。
サルワカさんのHTML
<div class="box2">
<p>ここに文章</p>
</div>
サルワカさんのCSS
.box2 {
padding: 0.5em 1em;
margin: 2em 0;
font-weight: bold;
color: #6091d3;/*文字色*/
background: #FFF;
border: solid 3px #6091d3;/*線*/
border-radius: 10px;/*角の丸み*/
}
.box2 p {
margin: 0; padding: 0;
}
CSSはサルワカさんのものをコピペで流用可能です。
では手順を解説していきます。
手順1:グループブロックに追加CSSクラスを設定する
①準備しておいたグループブロックを選択
(画面右の情報パネル(ブロックタブ)でグループが表示される)
②高度な設定を開ける
③任意のクラス名を入力(今回は”kakumaru-box”としました)
これで、このグループブロックにclass="kakumaru-box"というクラスが付与されました。
手順2:カスタムCSSを記述する
記述場所は、子テーマを使用している場合は子テーマのstyle.cssにします。
子テーマを使用しない場合はテーマの追加CSS欄か、プラグインsimple Custom CSS and JSなどを使うとよいでしょう。
次の記事の中にsimple Custom CSS and JSを使ってカスタムCSSを記述した例があります。
記述するCSSコードは以下の通りです。4行目以降にサルワカさんのCSSを流用しています。
.kakumaru-box {
padding: 0 !important;
}
.kakumaru-box .wp-block-group__inner-container {
padding: 0.5em 1em;
margin: 2em 0;
font-weight: bold;
color: #6091d3;/*文字色*/
background: #FFF;/*背景色*/
border: solid 3px #6091d3;/*線*/
border-radius: 10px;/*角の丸み*/
}
.kakumaru-box .wp-block-group__inner-container p {
margin: 0;
padding: 0;
}
4行目以降では、サルワカさんのCSSのセレクター部を次のように置き替えてます(理由は後述)。
.box2 ⇒ .kakumaru-box .wp-block-group__inner-container
※.kakumaru-boxと.wp-block-group__inner-containerの間には半角スペースを入れてください。
できあがったボックスをサイト表示すると次の通りです。
※グループブロックにパディング設定機能がある場合、パディングはゼロとしてください。
本記事執筆時は上記赤字の注釈を記載しておりました。
これは本来グループブロックのパディングは初期値がゼロなので、もしパディング設定を独自にカスタマイズしている場合にはゼロの戻してください、の意味での記載でした。パディングがゼロ以外だと、目論見通りのボックスデザインになりません。
しかし、ワードプレスversion5.7で導入されたcustom-spacingに対応したテーマが増えてきたこともあり、明確にパディングをゼロにする、という意味でCSSの1~3行目にpadding: 0 !importantを追記した次第です。
以降本記事で紹介する他のボックスも同様です。
ボックス内には、さらに段落ブロックや画像ブロックなどの他のブロックを追加挿入が可能です。
カスタムHTMLブロックで作成したボックスと違って、Gutenbergの編集機能は使えるというわけですね。
ただし装飾ボックスに作成のCSSで表現している部分は除きます。例えば、ボックス全体の背景色はCSSで指定しているので、グループブロックの背景色では指定しないでください(見映えが崩れます)。
したがって次のデザインについてはカスタムCSSの記述を変更して対応してください。
- ボックス内側の余白(padding: 0.5em 1em; を変更)
- ボックス全体の文字色・背景色(文字色はcolor: #6091d3; 背景色はbackground: #FFF; を変更 )
- 枠線の種類、太さ、色(border: solid 3px #6091d3; を変更)
- 枠線の角の丸み(border-radius: 10px;を変更)
※ブロックエディターの編集画面では、ボックスは表示されません。
しかし、プレビュー表示やサイト表示させると表示されます。もしそれでも表示されない場合は、キャッシュの可能性が高いので、ブラウザのキャッシュをクリアしてください(CTRL+F5)。
HTML構造比較でセレクター置き替えの理由を確認
このように角丸ボックスについては、セレクターさえ変更すればサルワカさんのCSSをそのままコピペ流用可能です。
そこでHTMLの構造を比較して、コピペ流用可能であることを確認してみましょう。
サルワカさんのHTMLと実際に作成した囲み枠を比較すると、赤の点線部が同じ構造だとわかります。
※グループブロック内部には、wp-block-group__inner-containerというdiv要素が形成される仕様となっています。
このことを利用して、セレクターを次のように変更すればHTML共通部を指定できるわけですね。
.box2 ⇒ .kakumaru-box .wp-block-group__inner-container
(class="kakumaru-box"の中のclass="wo-block-group__inner-container"を指定)
HTML構造がこのようなボックスの場合は、CSSをコピペして流用することができる。
実際ググって出てくるほとんどのシンプルな装飾ボックスは、こういったHTML構造となっています。
ワードプレスversion5.9で導入された、フルサイト編集対応のブロックテーマ(Twenty Twenty-Two等)ではwp-block-group__inner-containerのdiv要素は形成されません。従来テーマでもtheme.jsonを使ったテーマでも同様です。詳しくはグループブロックの紹介記事を参照ください。
したがってブロックテーマやtheme.jsonを使った従来テーマでは本記事のCSSはこのままでは使用できず、ブロックの構造に合わせてセレクターを変更する必要があります。
といっても、実はHTML構造がシンプルになる分CSSもシンプル化するので、むしろほぼサルワカさんCSSのコピペでOKです(以下の通り)。
.kakumaru-box {
padding: 0.5em 1em;
margin: 2em 0;
font-weight: bold;
color: #6091d3;/*文字色*/
background: #FFF;/*背景色*/
border: solid 3px #6091d3;/*線*/
border-radius: 10px;/*角の丸み*/
}
.kakumaru-box p {
margin: 0;
padding: 0;
}
ではサルワカさんの記事の中から同じHTML構造のものをもう1つコピペして作成してみましょう。
めくれたテープ風のボックス(CSSコピペで可)
こんなボックスです。
サルワカさんのHTML
<div class="box25">
<p>ここに文章</p>
</div>
サルワカさんのCSS
.box25{
position: relative;
background: #fff0cd;
box-shadow: 0px 0px 0px 5px #fff0cd;
border: dashed 2px white;
padding: 0.2em 0.5em;
color: #454545;
}
.box25:after{
position: absolute;
content: '';
right: -7px;
top: -7px;
border-width: 0 15px 15px 0;
border-style: solid;
border-color: #ffdb88 #fff #ffdb88;
box-shadow: -1px 1px 1px rgba(0, 0, 0, 0.15);
}
.box25 p {
margin: 0;
padding: 0;
}
手順1:グループブロックに追加CSSクラスを設定する
角丸ボックスと同じ要領でクラス名を付与します。
①グループブロックを選択(画面右の情報パネル(ブロックタブ)でグループが表示される)
②高度な設定を開ける
③任意のクラス名を入力(今回は”taping-box”としました)
手順2:カスタムCSSを記述する
4行目以降は、サルワカさんのCSSのセレクターを.box25から.taping-box .wp-block-group__inner-containerに変更したのみです。
.taping-box {
padding: 0 !important;
}
.taping-box .wp-block-group__inner-container {
position: relative;
background: #fff0cd;
box-shadow: 0px 0px 0px 5px #fff0cd;
border: dashed 2px white;
padding: 0.2em 0.5em;
color: #454545;
}
.taping-box .wp-block-group__inner-container:after{
position: absolute;
content: '';
right: -7px;
top: -7px;
border-width: 0 15px 15px 0;
border-style: solid;
border-color: #ffdb88 #fff #ffdb88;
box-shadow: -1px 1px 1px rgba(0, 0, 0, 0.15);
}
.taping-box .wp-block-group__inner-container p {
margin: 0;
padding: 0;
}
これで以下のような装飾ボックスができあがりました。
このように
といったHTML構造のものであれば、同じ要領でコピペして使っていけばよいわけですね。
単純なコピペではできないHTML構造の装飾枠
では、サルワカさん記事の中で単純なコピペではCSSを流用できないボックスを見てみましょう。
ここでは大きく2通りあります。
- 段落(<p></p>)の前に<span></span>でタイトルをつける
- 段落(<p></p>)の前に<div></div>でタイトルをつける
順番に紹介していきましょう。
①段落(<p></p>)の前に<span></span>でタイトル
枠の途中にタイトル(CSSの変更要)
こんなボックスです。
サルワカさんのHTML
<div class="box26">
<span class="box-title">ここにタイトル</span>
<p>ここに文章</p>
</div>
サルワカさんのCSS
.box26 {
position: relative;
margin: 2em 0;
padding: 0.5em 1em;
border: solid 3px #95ccff;
border-radius: 8px;
}
.box26 .box-title {
position: absolute;
display: inline-block;
top: -13px;
left: 10px;
padding: 0 9px;
line-height: 1;
font-size: 19px;
background: #FFF;
color: #95ccff;
font-weight: bold;
}
.box26 p {
margin: 0;
padding: 0;
}
今回のHTML構造は次のようになっています。
CSSをコピペ流用できるHTML構造とは違って、新たに<span>要素が<p>要素の前に配置されています。
この場合、準備しておいたグループブロックにも<span>要素を追加しないと同じCSSをコピペして使うことができません。
しかしHTMLの書き換えはカスタムHTMLブロックを使うことになり面倒です。
そこで、CSSで疑似要素でHTMLの<span>要素を代替する手法を使います。
具体的に手順を追って説明していきましょう。
手順1:グループブロックに追加CSSクラスを設定する
まずはこれまでと同じ要領で、準備しておいたグループブロックにクラス名を付与します。
①グループブロックを選択(画面右の情報パネル(ブロックタブ)でグループが表示される)
②高度な設定を開ける
③任意のクラス名を入力(今回は”title-box”としました)
手順2:カスタムCSSを記述する
次のようなカスタムCSSを記述します。
サルワカさんのCSSと並べておきますので比べてみてください。
(今回記述するCSSの最初の3行目はパディングゼロ指定の記述なので、4行目以降を比較ください)
今回記述するCSS
.title-box {
padding: 0 !important;
}
.title-box .wp-block-group__inner-container {
position: relative;
margin: 2em 0;
padding: 0.5em 1em;
border: solid 3px #95ccff;
border-radius: 8px;
}
.title-box .wp-block-group__inner-container::before {
content:"POINT";
position: absolute;
display: inline-block;
top: -13px;
left: 8px;
padding: 0 9px;
line-height: 1;
font-size: 19px;
background: #FFF;
color: #95ccff;
font-weight: bold;
}
.title-box .wp-block-group__inner-container p {
margin: 0;
padding: 0;
}
サルワカさんのCSS
.box26 {
position: relative;
margin: 2em 0;
padding: 0.5em 1em;
border: solid 3px #95ccff;
border-radius: 8px;
}
.box26 .box-title {
position: absolute;
display: inline-block;
top: -13px;
left: 10px;
padding: 0 9px;
line-height: 1;
font-size: 19px;
background: #FFF;
color: #95ccff;
font-weight: bold;
}
.box26 p {
margin: 0;
padding: 0;
}
クラス名の変更(.box26を.title-box .wp-block-group__inner-containerに変更)以外にも次の変更が必要です。
- <span>要素に相当する.box-titleを疑似要素::beforeに置き替え
- ::before疑似要素で指定したセレクターに適用するCSSプロパティの中にcontent: “POINT";を追加する。
(これで、POINTという文字を<span>要素で追加したのと同じことになります)
※::beforeの前には半角スペースは入れないでください。
このようにCSSの疑似要素beforeを使用すれば、beforeを付けた要素の頭の子要素として<span></span>を配置したのと同じ効果となるのです。
ちなみにafterという疑似要素を使うと、付加した要素の子要素の最後尾に<span></span>を配置した効果となります。
先頭に<span>を追加したければ、その親要素にCSSで疑似要素beforeを付加すればよい
こうして出来上がったボックスは次の通りです。
※ラベルとなるPOINT文字の背景色にはbackground:#FFF;で白色としていますが、設置するwebのページの背景色が白でない場合は、その背景色に置き替えてください。
ラベルをつけたようなデザイン(CSSの変更要)
同じパターンのHTMLの例としてもうひとつ作成してみましょう。
次のようなタブ付きのボックスです。
サルワカさんのHTML
<div class="box27">
<span class="box-title">ここにタイトル</span>
<p>ここに文章</p>
</div>
サルワカさんのCSS
.box27 {
position: relative;
margin: 2em 0;
padding: 0.5em 1em;
border: solid 3px #62c1ce;
}
.box27 .box-title {
position: absolute;
display: inline-block;
top: -27px;
left: -3px;
padding: 0 9px;
height: 25px;
line-height: 25px;
font-size: 17px;
background: #62c1ce;
color: #ffffff;
font-weight: bold;
border-radius: 5px 5px 0 0;
}
.box27 p {
margin: 0;
padding: 0;
}
手順1:グループブロックに追加CSSクラスを設定する
これまでと同じ要領でクラス名を付与します。
①グループブロックを選択(画面右の情報パネル(ブロックタブ)でグループが表示される)
②高度な設定を開ける
③任意のクラス名を入力(今回は”tab-box”としました)
手順2:カスタムCSSを記述する
次のようなCSSです。
.tab-box {
padding: 0 !important;
}
.tab-box .wp-block-group__inner-container {
position: relative;
margin: 2em 0;
padding: 0.5em 1em;
border: solid 3px #62c1ce;
}
.tab-box .wp-block-group__inner-container::before {
content:"POINT";
position: absolute;
display: inline-block;
top: -27px;
left: -3px;
padding: 0 9px;
height: 25px;
line-height: 25px;
font-size: 17px;
background: #62c1ce;
color: #ffffff;
font-weight: bold;
border-radius: 5px 5px 0 0;
}
.tab-box .wp-block-group__inner-container p {
margin: 0;
padding: 0;
}
先ほどのタイトル付きボックスと同様、疑似要素beforeで<span>要素を代替しています。
変更パターンは同じなので、慣れれば簡単ですね。
できあがったボックスは次の通りです。
②段落(<p></p>)の前に<div></div>でタイトル
枠の頭にワイドなタブタイトル(CSSの変更要)
こんなボックスです。
サルワカさんのHTML
<div class="box29">
<div class="box-title">ここにタイトル</div>
<p>ここに文章</p>
</div>
サルワカさんのCSS
.box29 {
margin: 2em 0;
background: #dcefff;
}
.box29 .box-title {
font-size: 1.2em;
background: #5fb3f5;
padding: 4px;
text-align: center;
color: #FFF;
font-weight: bold;
letter-spacing: 0.05em;
}
.box29 p {
padding: 15px 20px;
margin: 0;
}
今回のHTML構造は次のようになっています。
先ほどは<span>要素でしたが、今回は<div>要素が<p>要素の前に配置されています。
この場合もCSSの疑似要素を使ってHTMLの<div>要素を代替する手法を使います。
ただし、疑似要素::beforeではインライン要素(<span></span>)として挿入されるので、これをブロック要素(<div></div>)に変換します。
具体的に手順を追って説明していきましょう。
手順1:グループブロックに追加CSSクラスを設定する
まずはこれまでと同じ要領で、準備しておいたグループブロックにクラス名を付与します。
①グループブロックを選択(画面右の情報パネル(ブロックタブ)でグループが表示される)
②高度な設定を開ける
③任意のクラス名を入力(今回は”title-box-wide”としました)
手順2:カスタムCSSを記述する
次のようなカスタムCSSを記述します。
サルワカさんのCSSと並べておきますので比べてみてください。
(今回記述するCSSの最初の3行目はパディングゼロ指定の記述なので、4行目以降を比較ください)
今回記述するCSS
.title-box-wide {
padding: 0 !important;
}
.title-box-wide .wp-block-group__inner-container {
margin: 2em 0;
background: #dcefff;
}
.title-box-wide .wp-block-group__inner-container::before {
content:"POINT";
display: block;
font-size: 1.2em;
background: #5fb3f5;
padding: 4px;
text-align: center;
color: #FFF;
font-weight: bold;
letter-spacing: 0.05em;
}
.title-box-wide .wp-block-group__inner-container p {
padding: 15px 20px;
margin: 0;
}
サルワカさんのCSS
.box29 {
margin: 2em 0;
background: #dcefff;
}
.box29 .box-title {
font-size: 1.2em;
background: #5fb3f5;
padding: 4px;
text-align: center;
color: #FFF;
font-weight: bold;
letter-spacing: 0.05em;
}
.box29 p {
padding: 15px 20px;
margin: 0;
}
クラス名の変更(.box29を.title-box-wide .wp-block-group__inner-containerに変更)以外にも次の変更が必要です。
- <div>要素に相当する.box-titleを疑似要素::beforeに置き替え
- ::before疑似要素で指定したセレクターに適用するCSSプロパティの中にcontent: “POINT";を追加する。
(これで、POINTという文字を<span>要素で追加したのと同じことになります) - さらに::before疑似要素をブロック要素に変更するためにdisplay:block;を追加記述
※::beforeの前には半角スペースは入れないでください。
このようにCSSの疑似要素beforeで<div>要素を代替するためには、display:block;でブロック要素に変換する必要があります。
先頭に<div>を追加したければ、その親要素に疑似要素beforeをブロック要素として付加する
こうして出来上がったボックスは次の通りです。
出来上がった装飾ボックスは再利用ブロック化またはパターン化する
できあがった装飾ボックスを今後記事の作成に使用するためにも、再利用ブロックに登録したり、さらにパターン化しておけば便利です。
実際私もよく使うボックスはパターン化していつでも呼び出せるようにしています。
再利用ブロックの使い方
パターン化の方法
まとめ
ブロックエディターとカスタムCSSで装飾ボックスを作成する方法を解説してきました。
ざっとまとめると次の通りです。
- グループブロックの中に段落ブロックの入った入れ子構造を準備しておく
- グループブロックに直接背景色などを設定するだけでも簡単なボックスができる
- グループブロックに追加CSSクラス名を付与してカスタムCSSを適用する
- シンプルな枠線ボックス等ではググったカスタムCSSを直接コピペ流用できる
- コピペ流用できないHTML構造の場合はCSSの疑似要素をうまく使うとよい
- できあがった装飾ボックスは再利用ブロックに登録またはパターン化して利用しよう
本記事はカスタムCSSを利用しただけですが、ブロックスタイルやブロックバリエーションでブロックを直接カスタマイズして装飾ボックスを作成したい場合は、次の記事がおすすめです。